受刑者が普段生活する居室とは?
これまで法務省では「居房」・「雑居房」・「独居房」・「行刑施設」を現在それぞれ「居室」・「共同室」・「単独室」・「刑事施設」と呼んでいるが、基本的な実態は変わっていない。すなわち、雑居房と独居房とは受刑者が刑務所内で生活を主に行う生活宿舎のことである。刑務所へ送られると、まずは個室の『単独室』で刑務所の生活に慣れさせられる。黒羽刑務所では国内で最も独居房が多く、その数は1000室を超えるという。
慣れてくると今度は『共同室』と呼ばれる大人数の部屋に入る。ここでイジメに遭うか、うまく乗り切れるかどうかは、犯した罪の内容と運と職業によるのが実情だ。
基本は雑居房(共同室)での受刑者生活

6人程度が入居する『雑居房(共同室)』が受刑者の基本的な生活スペースとなる。集団生活なのでプライバシーは確保されておらず、トイレの仕切りはあるがガラス窓付きのオープンなトイレである。使用すると自動的に曇りガラスになる仕組みにはなっていない。居室には流し台も完備され、洗面や歯磨きも行える。

雑居房(共同室)に備えられている物
【報知器】
刑務官に用がある時に下ろす各舎房に付いている非電気式装置。舎房内の釦を押すと、房番号が表示されているプラスチック板が重力を用い飛び出す。用が済めば、刑務官が元に戻す。
【トイレ】
水洗トイレで、仕切りもついており、意外とまともなものだが、一部ガラス張りでプライバシーはないに等しい。
【テレビ】
意外や意外。雑居房にはテレビも備えられている。しかし、懲罰を受けると視聴が禁止される場合がある。
独居房(単独室)に入れられる基準は?嗚呼、悲しき”独居囚人”!?

刑務所にはほかに『独居房(単独室)』がある。こちらは文字通り、単独で受刑者が入居する形だが、前述の雑居房(共同室)に比べると極めて室内のスペースは狭い。トイレも仕切り板が申し訳程度にあるものの、壁なしで配置されている。
実は独居房(単独室)と言っても種類があり、懲罰を目的として入れられる場合や、受刑者が政治家、有名タレントなどと言った場合でも入れられることがある。とくに暴力団組長などの受刑者は、とても他の受刑者と共同生活ができないという理由から、ほぼ独居になる。当然、刑務作業も紙袋づくりなどの一人作業に。
お断りしておきたいが、受刑者の希望でどちらかを選ぶことはできない。
しかし、同性愛者などの場合は居室の風紀と秩序、衛生維持のため独居に送られる場合もある。
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