満期出所と仮出所

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身元引き受人がいないと仮出所できない

受刑者がすべての刑期を勤め上げたのちに、ようやく出所できるのが満期出所。

一方、日頃の行いが良い優良受刑者の場合は、身元引受人がいる場合に限り、満期前でも出所することができる。これがいわゆる仮出所(仮釈放)だ。

満期出所とは文字通り、受刑期間を一杯まで勤め上げるものであるが、受刑者の態度が良くて刑務官に気に入られ、且つ、身元引受人がいなければ、仮釈放にはなれないのだ。

しかも現在、仮釈放の選考は相当厳しい。



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受刑者の中で身元引受人が居ない者は多い

大っぴらには言えないが、受刑者の中で身元引受人が居ない者は実に多いという。親がすでに他界していたり、親族も受刑者に冷たいという実情がそこにある。

だが、こういった身元引受人のいない受刑者を援助するため、保護会というボランティア組織もある。

身元引受人のいない受刑者で仮釈放を希望する者は保護会の審査に申し込むことになるのだが、入所できる人数に限りがあるので審査が厳しく、ほとんどの受刑者は落とされる。

とくに、再犯するような受刑者は即座にハネられてしまう。

保護司とは

受刑者の仮釈放が成されるにあたり、受刑者が居住する場所や身元元引受人について調査を行うのが保護司である。

保護司の身分は、法務大臣から委嘱を受けた非常勤の一般職国家公務員(人事院指令14-3で指定された非常勤国家公務員、無給)となる。

犯罪や非行に陥った人の更生を任務とするが、その実ほとんどはほかに定職を持つ民間人、とくに会社の経営者などカネと資本、そしてヒマのある者が選ばれており、彼らには一切の給料が支払われておらず、消防団以上にボランティア活動で、もはや名誉職と言えるだろう。

本来は保護観察官という常勤の法務省法務事務官が行う業務であるが、保護観察官の人数だけでは足りないので、このようなボランティアスタッフに嘱託させる形となっているのだ。

保護観察官は全国で1000人余りだが、保護司は全国で49,000人が活躍している。

保護司になるためには厳格な選考会が開かれており、冒頭でも書いたが、実際規定により、保護司には「社会的立場に就いておりヒマがある者」ということが条件になっている点に注意したい。

つまり会社の社長や議員などが、優先的に選ばれているのが実情だ。

なお、刑務所で慰問コンサートを行っている女性歌手グループも保護司になっているので、社長や議員だけが選考されているわけではない。

刑務官しか知らない刑務所のルール―衣食住、懲罰、死刑囚 かくも哀しきムショ暮らしの全貌!

刑務官しか知らない刑務所のルール

4537254963 | 坂本 敏夫 | 日本文芸社 |  2007-05

仮釈放は取り消される場合もある。

受刑者が仮釈放を受けるということの大変さはわかっていただけたであろうか。

普段、事故(懲罰をうけるような非行行為)など起こさずに真面目に勤め上げ、刑務官の信頼を得て、選考会にて先行されねばならないのだ。

当然、保護観察中に遵守すべき遵守事項に違反しようものなら、即座に仮釈放は取り消され、塀の中に戻されてしまう。仮釈放と言っても、刑が終了したわけではなく受刑者の身分に変わりはない。

勝手に行方をくらますなど許されない。柴田恭兵が追いかけてくる。

残念ながら仮釈放中に行方をくらます受刑者も少なからずおり、その場合は警察と保護観察所が共同で行方を捜す。

とはいえ、ほとんどの仮釈放の受刑者が真面目に、社会生活を送ろうと努力をしている。

受刑者が受刑者でなくなるその時は、鬼のように厳しかった刑務官の態度もがらりと変わり、元受刑者に対して敬語になる。

「もう、二度と戻ってこないでくださいね」


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